大泉洋主演 劇場版「こんな夜更けにバナナかよ」

松竹が作製し、2018年12月28日に全国公開となった、劇場版 『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』 。この主人公が筋ジストロフィーを患っている。コミカルに描かれる主人公とボランティアとのやりとりは時には笑いを、時には涙を与えてくれました。
メガホンをとったのは「Shall we ダンス? 」の助監督をされていた監督の前田哲氏、脚本は「ショムニ」シリーズや「ウォーターボーイズ」を手がけた橋本裕志氏。
出演:大泉洋、高畑充希、三浦春馬
萩原聖人、渡辺真起子、宇野祥平、韓英恵/雷竜太、綾戸智恵/佐藤浩市/原田美枝子
原作は渡辺一史氏による『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』(文春文庫刊)
こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち (文春文庫) [ 渡辺 一史 ]楽天で購入
鹿野氏は1959年、札幌市生まれ、小学六年生のとき「デュシャンヌ型筋ジストロフィー」と診断される。12歳で国立療養所八雲病院に入院し、併設された道立八雲養護学校に通う。卒業後マヒの軽いうちに結婚したこともあるが離婚している。
次第にマヒが進んでゆき人工呼吸器を付けなくてはならなくなるが、親の人生を犠牲にさせたくないと道営ケア付き住宅で自立生活を始める。24時間体制のケアがついていても、鹿野氏の場合は頻繁な痰の吸引など細かな介護が必要なため、ビラを配って何十人というボランティア(主婦から学生までさまざま)を集め綿密なローテーションを組みあげている。
ボランティアたちはわがままな鹿野氏と触れ合うことで、それまでの人生では見出せなかった「必要とされている実感」を味わい、その後の人生を大きく左右されてゆく。その様子をつぶさに見ていて、渡辺氏は「健常者には障害者がどうしても必要なのかもしれない」と考えるに至る。
書評 より
http://www.jscf.org/jscf/SYOHYOU/watanabe.htm
難病・筋ジストロフィーによって、体で動かせるのは首と手だけという車椅子生活を送る鹿野靖明(大泉洋)は、親にも病院にも頼らず、アパートで自ら集めた大勢のボランティアとともに暮らしている。医大生のボランティア・田中久(三浦春馬)と、田中の恋人で思いがけず新米ボランティアとして加わることになる安堂美咲(高畑充希)。そして、鹿野を献身的に支えるベテランボランティアたち。図々しくて、おしゃべりで、惚れっぽい、鹿野の強烈なキャラクターに、美咲は反発しながらもだんだんと惹きこまれていく。
劇場版「こんな夜更けにバナナかよ」より
https://www.diversity-in-the-arts.jp/stories/11165
筋ジストロフィーとは?
慢性・進行性に経過し、骨格筋の変性・壊死と筋力低下を主症状とする遺伝性の病気です。男の子の3000~3500人に1人の割合で発症するといわれています。
分類
デュシャンヌ型、ベッカー型、肢帯型(LG型)、顔面肩甲型(FSH型)があり、最も多いのはデュシャンヌ型となります。
デュシャンヌ型筋ジストロフィー(DMD)
男子にのみ発症します。健常者と比べて歩くのがやや遅れ、3~6歳で歩行に異常が見られるようになります。(動揺歩行)下肢の筋力低下から始まり、次第に上肢の筋力も侵されていきます。

転倒しやすくなり、筋肉の仮性肥大、膝に手をついて登るように立ち上がる登攀性起立(とはんせいきりつ)、階段昇降困難などが見られるようになります。


※仮性肥大とは: 筋萎縮性の病気を患う初期にふくらはぎ等がパンパンになり、筋肉隆々と感じることがあります。
進行が速く、多くは10歳前後で歩行困難となり、車椅子での生活を余儀なくされます。人工呼吸器を装着しない場合、多くは10歳代後半~20歳代前半に合併症により亡くなります。
手先の運動はわずかに可能なため、電動車椅子のハンドル操作は可能です。

症状
- 約20%に知能障害
- 背骨の変形
- 下肢筋力低下→登攀性起立、動揺性歩行
- 腓腹筋の仮性肥大
- アキレス腱の拘縮→尖足
合併症
デュシャンヌ型の死因として多いのは呼吸不全、次いで心不全によるものが多いです。
予後
20歳前後で亡くなります。